これからスポーツファーマシストの資格を取ろうと思っている方必見!この記事は調剤薬局の薬剤師が「公認スポーツファーマシスト」資格取得までの経緯や資格更新について、そして取得して分かったことなどをまとめたものです。参考にしていただけたら幸いです(^^)
資格取得して分かったこと
トップアスリートの偉大さ
アンチ・ドーピングとは、公益法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によると「本来のスポーツの楽しさや、仲間との信頼、対戦相手へのリスペクトなど、スポーツの価値を支える「フェアネス」を守るためのもの」とあり、すべてのアスリートに適応されるものです。
特に国際競技連盟(IF)や国内アンチ・ドーピング機関(日本ではJADA)から指定・登録された日本・世界で活躍するトップアスリート(RTP/TP)は、居場所情報の提出・更新を求められ、居場所情報に基づきアスリートに事前通告なしのドーピング検査(競技会外検査)が行われます。
いわゆる、24時間いつでも検査を行うことができる状態を求められているということ。
トップアスリートは、クリーンでフェアなスポーツ環境を創るためには必要なこととして、アスリートの見本となるべく自ら受け入れ実践しております。
トップアスリートはただでさえ競技で結果を出すことを求められているのにもかかわらず、スポーツ全体の価値を上げるための活動もしているんですね。
トップアスリートは偉大だと思いませんか?
なお、トーピング検査(競技会外検査)は、IFや国内アンチ・ドーピング機関から指定されたアスリート以外にも実施される可能性があります。いつでも・どこでも検査に対応することは、全てのアスリートの役割と責務です。
漢方はダメ
漢方薬に使用する生薬は、動植物や天然物から由来しており含有する全ての物質が明らかになっているわけではありません。
したがって、禁止物質を含有することが知られている生薬以外の生薬についても、禁止物質が含まれているかどうかを確認することが出来ないため、もし漢方の服用について問い合わせがあった場合は「漢方は、すべての含有物質が明らかになっているわけではありませんので、その製品が禁止物質を含まないという確認はできません」となるわけです。
つまり、禁止物質の摂取をしていないことを証明できない以上、漢方薬はアスリートにお勧めできません。
他に代えられる治療方法を選択する必要があります。
サプリメントへの対応
サプリメントは、製品のパッケージや説明書にも禁止物質が書かれていないのに禁止物質が入っていたということがあるようです。特に海外の製品に多いそうなので注意が必要です。
ですから問い合わせがあった場合、製品のパッケージや説明書に禁止物質の表示がない場合でも、決して大丈夫だと言ってはいけません。漢方薬の問い合わせに対する返答と同様に、「製品のパッケージや説明書にも禁止物質は書かれていませんが、書かれていないから禁止物質が入っていないとは限りません。残念ながら製品に禁止物質を含まないという確認はできません」と答えるべきでしょう。
問い合わせに対する対応
情報検索のための整備が必要になります。その一つとして、禁止物質が書かれた禁止表国際基準は毎年更新されるため、常に新しい情報を手に入れておく必要があります。
問い合わせの対応は、聞き違い等を防ぐため基本文書によるやりとりで行います。
判断に迷う場合は都道府県薬剤師会ホットラインに相談します。
薬剤師の考えを言ったり断言したりすることを避け、あくまで根拠のある情報を提供し、アスリートが最終決定できるような情報提供が求められます。
資格取得までの経緯
2020年度公認スポーツファーマシスト認定プログラム受講の申込(2020.4.16)
公認スポーツファーマシストホームページより申し込みしました。自動返信メール「公認スポーツファーマシスト認定プログラム受講お申込みありがとうございます」が届きました。
2020年度公認スポーツファーマシスト認定プログラム受講のお知らせ(2020.5.11)
認定プログラム受講が決定したことと受講料(7,600円)の支払いの連絡がメールで届きました。ご入金の確認は6月上旬に受講番号の連絡をもって替えさせていただく旨の記載もありました。早速記載された通り入金を済ませました。
公認スポーツファーマシスト認定プログラム受講番号のお知らせ(2020.6.2)
受講番号、基礎講習会の連絡がメールで届きました。
【受講期間】2020年7月6日~7月20日
【所要時間】約4~5時間程の予定
【受講方法】受講期間となりましたら後日お送りするURLにアクセスいただきお送りする専用パスコードを入れて受講
7月6日午前中に受講専用のURL、パスコードをメールにて送る旨の記載もありました。
基礎講習会で使用する資料が届く(2020.6)
受講手続きのお礼と振り込みの確認、受講方法等が記載された文書も同封されておりました。
2020年度基礎講習会(WEB視聴)受講のご案内(2020.7.3)
受講専用のURLとパスコード、受講に関する注意事項等の連絡がメールが届きました。
注意事項について抜粋すると以下の通り。
・受講期間内に全講習、アンケートを終了(終了していない場合、基礎講習は「未受講」となり、今年度の受講権利を喪失)
・受講前に「視聴前に必ずご確認ください」「基礎講習会視聴について」を確認
・各論には確認問題としてクイズがあり。全員すべての問題に回答(合否を決めるものではなく、内容のポイントを確認するためのもの)
基礎講習会(2022.7.6 12:00~2022.7.20 17:00)
確認問題は各論ごとに5問ずつ出題されました。何日かに分けて期間内に受講しました。
2020年度基礎講習会(WEB視聴)受講について(2022.7.7)
「ユーザー登録情報について」「出席確認について」の案内について連絡がメールで届きました。
受講についての補足的な情報で、受講対象の方全員に送信しているとのこと。
ちょうど困っていたところでしたので、連絡をいただいて安心出来ました。
2020年度実務講習(eラーニング)申込のご案内(2020.11.16)
申込期間、実施期間の案内がメールで届きました。早速申込しました。
申込期間:2020年11月16日~2020年12月15日
実施期間:2021年1月8日~2021年1月21日
2020年度実務講習(eラーニング)受講のご連絡(2021.1.7)
受講期間、終了の確認方法、コンテンツの時間について、認定料のお支払いについての連絡がメールで届きました。
実務講習・知識到達度確認試験・資格認定申請(2021.1.8~2021.1.21)
実務講習を受講後に知識到達度確認試験が行われます。知識到達度確認試験は全問正解になるまで学習状況は「受講済」となりません。実務講習が全て「受講済」かつ知識到達度確認試験が「受講済」にならないと、資格認定申請できません。
余裕をもって受けたので良かったです(^^)。
認定料のお支払いについて(2021.1.25)
メールで届いた内容は以下になります。
【認定料】21,000円
【入金期間】2021.1.25~2021.2.19
【入金確認】メールでの入金確認完了のご連絡はしない。マイページにて確認。
【認定番号・資料送付について】2021.4.1に認定番号が発行。認定証、その他資料の発送は5月上旬~中旬頃を予定。
以後のお知らせはすべてホームページでお知らせする旨の記載もありましたので、定期的にホームページをする必要がありそうです。
資格更新について
2021年度実務講習(eラーニング)申込のご案内(2021.11.16)
申込期間、実施期間についての連絡がメールで届きました。早速申込しました。実務講習の受講料お支払いはありません。
【申込期間】2021.11.15~2021.12.7
【実施期間】2022.1.6~2022.1.24
実務講習受講に関するご注意(2021.12.23)
受講の時間帯にアクセスが集中する場合、一時的に動画の再生に時間を要する可能性がある旨連絡が着ました。
コンテンツの時間について
・2022年度禁止表国際基準(3種)→約25分ずつ
・TUE国際基準→約20分
・事務局からのお知らせ→約10分
・アンケート(※コンテンツの一つに含まれています)→約5分
2021年度実務講習(eラーニング)受講のご連絡(2022.1.5)
受講期間、終了の確認方法、受講前の確認事項、コンテンツの時間について連絡がありました。
受講期間内に講習内容を全て修了していない場合、2022年3月末日をもって資格失効になります。
実務講習(2022.1.6~2022.1.24)
2022年禁止表国際基準(適用期間2022.1.1~2022.12.31)の変更点についての講習を受けました。
実務講習後の知識到達度確認試験はありません。認定4年目に基礎講習会を受講し、認定到達度確認試験の受講および認定申請が必要になります。
今現在の私にとって「スポーツファーマシスト」資格取得の意義
薬局機能の一つとしてアピールできる
薬局内に「スポーツファーマシストが在籍しています」の掲示をしたり、薬局機能情報への掲載を行うことで薬局機能の追加による他の薬局との差別化が期待できます。また公認スポーツファーマシストホームページでは地域のスポーツファーマシストを検索できるので、薬局名を記載していればそれを頼りに相談希望の方が来客することも考えられます。
かかりつけ薬剤師として選んでいただくためのアピールポイントとなる
スポーツファーマシストだからかかりつけ薬剤師になってください、というケースはあまり期待してませんが、薬局内の掲示やかかりつけ薬剤師の紹介文書に記載された「スポーツファーマシスト」によって、「こういう分野に興味があるんだ」とか「まじめなやつなんだな」という薬局利用者さんの認識につながることを期待しています。
学校薬剤師の活動の中での啓蒙
私自身とある高校の学校薬剤師で、毎年薬物乱用防止についての講話を行っています。その時間を使って将来的にスポーツファーマシストとしてアンチ・ドーピングの啓蒙を行っていきたいと考えています。