一人薬剤師って大変だと思っている方必見!この記事は規模の違う調剤薬局で管理薬剤師を経験した私が「一人薬剤師の大変なところ・楽なところ」ベスト3を発表します。実は一人薬剤師って自動的に管理薬剤師になるから他の薬局の管理薬剤師の仕事と比較しないと平等ではないですよね?この記事を読めば管理薬剤師やるなら一人薬剤師がいいなって思えますよ(^^)
さて、下は私が管理薬剤師として働いた経験のある薬局の規模です。
- 一人薬剤師の薬局の規模
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1日平均30枚処方せん受付、耳鼻科がメイン(全体の75%ほど)。管理薬剤師1名。事務員1名。在宅業務あり。健康サポート薬局。注釈:メインとは「当該薬局において処方せん受付割合が一番多い医療機関」のこと
- 2名以上の常勤薬剤師が在籍している薬局の規模
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1日平均120枚処方せん受付、市立病院前の門前薬局。常勤薬剤師3名、事務員4名。在宅業務なし。施設処方応需。
ではこれから私の経験で勝手にランキング(^^)
一人薬剤師の大変なところベスト3
第1位 となりの医師への気遣いが大変
- 一人薬剤師の行動一つでメインの病院の院外処方せん発行が止まってしまうことがある
- 「メインの医師に一生懸命になること」は一人薬剤師の使命
注釈:メインとは「当該薬局において処方せん受付割合が一番多い医療機関」つまり「となりの病院」のこと
10年以上前になりますが、○○病院が「門前薬局の薬剤師の××さんがいる間は院外処方せんを出さない」といって院外処方せん止めちゃったんだよというのを風の噂で聞いたことがあります。
その後「薬剤師の××さんに辞めてもらって、他の薬剤師がその薬局に入ってから院外処方せん発行を再開したみたい」という噂も耳に入ってきて、恐ろしや恐ろしや。
さて、一人薬剤師の薬局が普段メインでお世話になっている病院というのは、医師(=経営者)一人の病院ですよね。
つまり、「一人薬剤師の行動一つで、院外処方せん発行が止まってしまうリスクがある」ということです。
まずメインの医師に好かれなければなりません。注釈:メインとは「当該薬局において処方せん受付割合が一番多い医療機関」つまり「となりの病院」のこと
では、どうしたら好かれるのでしょうか?
私が見つけ出した答えは、となりの医師に対して「一生懸命になる」ということでした。
「一生懸命になること」=あなたを世界中のだれよりも大事にしてます
という感じに近いかも(笑)。
- 医師に言われた要件があれば最優先でやる
- 駐車場の雑草は医師の目に付く前にきれいにする
- 雪よせは医師が来る前に終わらせる、などなど
「気遣い」は一生懸命になることで出来ることの一つに過ぎません。
10年以上経ちますが、今でも一生懸命であることは変わりないのでものすごいパワーを使います。
私は、「これが一人薬剤師の使命だ」と思ってやっているので、やりがいを感じています。
第2位 急に休むような状態にならないよう自己管理するのが大変
一人薬剤師は突然休むことができないので、休日中の過ごし方にも影響します。
私は開設者に言われているわけではありませんが、常に毎日普通に出勤するのも「一人薬剤師の使命だ」と思ってます。
- 人数の多い飲み会には参加しない
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コロナ対策です。withコロナではありますが、4人以上の飲み会に行かないようにしています(勝手なマイルールです)。
- スキーを止めた
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下手なので骨折などの大きなケガの危険性があるとして止めました。
- 飛行機は極力使わない
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天候悪化などで飛ばないことがしばしばあるので。特に帰りの便は、欠航の際に新幹線で帰ってこられる早めの便か、次の日が休みの日しか基本的に使いません。
休日であっても、常に出勤のことを考えてしまいますね。
第3位 薬局内のあらゆることを把握するのが大変
急に事務員さんが休み、薬局に自分が一人だけということもあります。薬局機能を維持できるように必要な仕事はすべて出来るようにしておかなければなりません。
医薬品の管理はもちろんですが、レセコンや調剤機器、電話、インターネット環境などなどの故障の対応など、薬局設備に関することも対応できるようしておかなければなりません。
色々把握するのは大変ですが、色々分かっているから不安・ストレスなく働けているとも思います。
\なかなかあり得ないハプニングですのでよかったら読んでください/
一人薬剤師の楽なところベスト3
第1位 一緒にはたらく薬剤師がいないのが楽
同僚の薬歴の数が気にならないし記載する時間も自由
複数の常勤薬剤師がいる薬局で働いている薬剤師の方、一緒に働いている薬剤師の薬歴の数って気になりませんか?
薬歴って患者さんに薬を渡した後すぐに処理できればいいんですけどね。
結局、薬歴の数=残業時間
ですから、薬歴を持ちたくないので患者さんに薬を渡すのを避けていた同僚や、患者さんがたくさんお待ちいただいている時だけ患者さんと話し込む同僚もいました。
私自身はそうなりたくないと思っていたので、人よりも多く薬歴を持つつもりで頑張っておりました。
管理薬剤師になって仕事が増えても、同僚の薬剤師に迷惑をかけないように、しっかり同僚以上に薬歴をもってやってましたので、当時を振り返ると正直苦しかったですね。
でも今
一人薬剤師は、その苦しみが皆無です。
薬歴をやる時間も自分のタイミングで合間時間を使えますし、薬歴を切りのいいところまでやってから患者さんにお渡しするなど、患者さんに多少待っていただくのも自由に出来ます。
1日の利用する患者さん数も少ないので、薬歴を終わらせるために残業することは私はありません。
同僚の目を気にしなくていいってホントに幸せです。
業務の空いた時間はeラーニングなど自己研鑽に使うことも自由です。
\業務中の薬剤師の自由時間を作るためにお役立てください/
薬剤師を監督する仕事がないのが最高
複数の常勤薬剤師が働いている薬局の管理薬剤師となると、他の薬剤師の監督をしなくてはなりません。
特に薬歴については、複数の薬剤師がみてわかるように整備しなくてはならないため、薬局内で書き方を統一しないといけません。それについてリーダーシップをとってルールを決めるのも大変。
ルールを決めた後も、なかなかうまく浸透しなかったり、最初は良くてもだんだんと記載がおろそかになってくることもあります。薬歴の記載は個別指導にも影響するので、書き方のルールを守っているか常に目を光らせて、見つかったら指導していかなければなりません。
これ、ほんとに疲れるんですよね。
一人薬剤師になって本当にこのわずらわしさが無くなって幸せです。
第2位 患者さんとの信頼関係を構築するのが楽
調剤した薬を渡すのはすべて自分
患者さんに調剤した薬を渡すのはすべて自分なので、薬歴を見なくとも、だいたいどういう患者かが分かることも多いです。
一人薬剤師になって圧倒的に少なくなりましたが、休日や夜間の問い合わせに対してもスムーズに対応できることが多いです。
患者さんをきちんとみて薬が渡せていると実感できる機会の多さは、私は圧倒的に一人薬剤師の方が多いです。
薬歴の記載内容の充実度も、私は圧倒的に一人薬剤師の方が大きいです。
メインの医師の処方意図が分かる
医師とのコミュニケーションを通じて処方意図が分かるようになると、患者さんへの説明が医師の説明と同じになるため、「薬剤師さんはお医者さんと同じことを言っていたな」と患者さんは不安なく処方薬を使用できます。
患者さんからのよくある質問に対して事前に医師と対応を相談しておくと、医師にその都度確認しなくても解決できることが多くなり、スムーズな対応ができます。
第3位 個別指導への恐怖が少ないのが楽
個別指導の指導の中心となるのは「薬歴」ですよね。
いくら自分がしっかりやっていても、一緒に働いている薬剤師の記載ももちろん指導の対象になるので、日々の薬歴の記載内容の管理が大変です。
私が働いていた薬局(常勤薬剤師3名が在籍)はレセプト1件当たりの平均点数が高く、定期的に集団的個別指導の対象になっており、私が管理薬剤師をやっていた時に個別指導を受けました。
ちなみに現在働いている一人薬剤師の薬局でも、新規の薬局ということで一度個別指導を受けましたが、その後はレセプト1件当たりの平均点数が低いため集団的個別指導の対象に入りません。
集団的個別指導の対象にならないということは、基本的には個別指導の対象にはなりません。