これからアレルギー疾患療養指導士を取りたいと思っている方、薬剤師で資格取得に興味がある方必見!この記事は第2回アレルギー疾患療養指導士認定試験に合格した一人薬剤師が合格までの勉強法や経緯についてまとめたものです。実はこの資格は専門医の署名捺印が必要なんです。この記事を読めば、資格取得までの細かい流れが分かりいろいろ準備できますよ!
勉強してよかったこと
- アレルギー疾患の病態や重症度に応じた最新の治療を学ぶことができ、服薬指導に生かせるようになったこと
- アレルギー疾患の方の環境整備については「無理せず出来ることから実施できるようにすることが大事」であることを学ぶことができ、その方の生活に合わせて個別対応することが出来るようになったこと
アレルギー疾患の方との距離が近くなりました。
アレルギー疾患の患者さんに寄り添い、深堀り出来る能力が備わった感じがします。
同じ抗アレルギー薬がずっと処方されている方に対する薬歴記載が困らなくなりました(^^)
アレルギー疾患療養指導士ってなに?
- アレルギー疾患療養指導士(CAI:Clinical Allergy Instructor)とは
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喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の治療や管理に関する専門知識を有し、患者さんや家族への指導スキルを兼ね備えたコメディカルスタッフです。
必ずしもアレルギーが専門ではない医師と協調してチーム診療を行うことにより、標準的で良質なアレルギー医療を国民に提供する資格です。(一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構ホームページより抜粋) - 一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構とは
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CAIを認定するのは学会ではなく一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構です。当機構は7つの学会(6つのアレルギー関連学会および日本外来小児科学会)と日本医師会、日本薬剤師会、日本栄養士会、日本アレルギー協会の後援を頂いております。(一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構ホームページより抜粋)
資格取得を検討する前に確認しておきたいこと
- 週38時間45分以上かつ2年以上の勤務経験があること
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看護師(准看護師)、薬剤師、管理栄養士 の資格を有し、いずれかの期間における勤務経験が条件です。現在の勤務状況は問われません。
- アレルギー、内科(認定内科医を含む)、小児科、耳鼻科、皮膚科、眼科専門医のもとで研修、診療にかかわったことがあること
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薬局薬剤師においては当該医師の処方箋を応需して患者指導を行っているものを含みます。受験申請書にはそれを証明するための専門医からの署名・捺印が必要になります。(注)専門医:アレルギー、内科(認定内科医を含む)、小児科、耳鼻科、皮膚科、眼科
- CAI研修セミナー(年1回開催)に1回以上参加していること(ただし受験年から2年遡ったセミナーまで適用されます)
- アレルギーに関連する症例10例とその10例の中で詳細な記載を加えた1例を提出すること
一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構ホームページから抜粋(アクセス日2022.9.18)
受験資格は変更になる恐れもあるので、随時一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構ホームページで確認してください。
アレルギー疾患療養指導士を取ろうと思った理由
アレルギー疾患療養指導士の存在を知った経緯
2021年9月26日一般社団法人日本アレルギー学会の第4回臨床アレルギー講習会をWeb受講したときに存在を知りました。
講習会終了後、さっそくググって資格取得に向けて検討し始めました(^^)
アレルギー患者と接する機会が多い
勤め先が耳鼻科の門前薬局ということで、アレルギー患者の方に勉強した知識を生かせるなぁと思いました。
- アレルギー性鼻炎をお持ちの患者さんと接する機会が多い
- アレルギー性鼻炎の方で、喘息やアトピーもお持ちの方との接する機会も多い
- 花粉症の時期では、アレルギー性結膜炎も併発することも多い
資格取得によってアレルギー患者さんが安心して投薬を受けられる、アレルギー患者さんから信頼される、かもなぁ(笑)とも思いました。
WEBで取得できる
資格取得まですべてWEBで完結できます。ただし認定試験は指定された全国の試験会場から好きな会場を選んで出向き、指定されたパソコンで試験を受ける必要があります。
資格取得までの費用が安い
- 集合研修や試験を受けるための交通費
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0円
- テキスト代(必須ではありません)
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4,950円
- CAI研修セミナー(非会員価格)
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13,000円
- 認定試験受験料
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10,000円
- 認定料
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10,000円
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37,950円(合計)
(注)CAI研修セミナー(非会員価格)は第2回CAI研修セミナーの領収証を参照
(注)認定試験料、認定料については一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構ホームページから抜粋(アクセス日2022.9.18)
試験を受けられる期間が長い
第2回認定試験においては2022.6.1~2022.6.30の期間で受けられました。
一人薬剤師である私は、基本土曜の午後か日曜日・祝日しか受けられないので、助かるな~と思ってました。
が、しかし…
私の都道府県でも受けられる会場は多かったのですが、日曜・祝日で受けられる会場はあいにくありませんでした。
土曜の午後はあまり記憶にないのですが、少なくとも業務が終わった後間に合うような試験会場はありませんでした。
申込期間開始日に確認したのですが、もしかして、すぐに定員に達してしまったかもしれません。
結局、木曜日は隣の病院が午前中で診療を終えるため、木曜日の午後に空いている会場を選び、薬局を2時間ほど閉めて車で15分程度にある試験会場で試験を受けました。
アレルギー疾患療養指導士認定試験までの道のり
第2回CAI研修セミナー参加申し込み(2022.1.12~2022.2.21)
一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構のホームページに情報がアップされ参加登録しました。
この時はもうすでに受験しようと思ってましたので、ちょくちょくホームページを覗いてました(^^)
セミナーの開催日が祝日なのでありがたいです。
テキストの案内もありましたので、こちらも購入しました。ガイドラインが新しくなったものもあり改訂するかもしれないので購入はぎりぎりまで待った方が良いかも。
第2回CAI研修セミナー(2022.2.23)
2022年2月23日(水・祝)8時45分からZoom配信で行われました。
「基礎」「免疫療法」「小児喘息」「成人喘息」「皮膚アレルギー」「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」「食物アレルギー」「アナフィラキシー」
テキストの内容を引用しながら、ガイドラインが新しくなったものには訂正・追加もありました。
途中休憩をはさんで16時30分ぐらいまで行われましたけど、内容が充実していたせいかあっという間でした(^^)
第2回CAI研修セミナー受講証・講演動画公開等の連絡(2022.3.7)
「第2回CAIセミナー受講証・講演動画公開等のご連絡」がセミナー受講の申込をした際に登録していたメールアドレスにメールが届きました。
受講証のダウンロードを行い印刷します(CAI受験申請書の添付書類として必要)
第2回CAI研修セミナーの動画がYouTubeにアップされた旨の案内と、講義ごとにURLが記載されております。
申請書における症例報告の記載が不安な方などは、申請書提出までが診療(指導)実績となるので、動画を繰り返し観てしっかり勉強して症例を増やし申請書に記載しましょう。
第2回CAI認定試験のお知らせ(2022.3.17~)
一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構のホームページに情報がアップされました。
ホームページから「CAI受験申請書」をダウンロードし、受験申込期間に提出できるように書類の準備を始めます。
申請書の「アレルギー疾患療養指導士認定試験受験に必要な職歴」のところで専門医の署名捺印が必要になるので、該当する医師に記載をお願いします。
第2回アレルギー療養指導士認定試験の連絡(2022.3.29)
第2回CAI認定試験概要が添付されたメールが届きました。
第2回CAI研修セミナーの視聴確認ができた方に送信されています。
認定試験受験申し込み(2022.4.1~2022.4.25)
必要書類はすでに準備してあったので、私は茶封筒に入れて「簡易書留」で郵送しました。
第2回CAI認定試験締め切りのお知らせの連絡(2022.4.18)
締切期限4月25日である旨のメールが届きました。
第2回CAI認定試験受験資格のご案内の連絡(2022.4.19)
第2回CAI認定試験
受験資格:あり
識別番号:〇〇〇〇〇〇〇〇
書類審査は通ったようです(^^)
以下の手順で受験申込の手続きを進めるよう案内がありました。
出願期間:2022年5月9日(月)~5月27日(金)
試験申込先:CBT-Solutions受験申込サイト(出願期間に合わせて当機構HP一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構お知らせ欄に掲載いたします)
識別番号はCBT-Solutions受験申込サイトから受験申込をする際、入力する箇所があります
注意事項として以下が書かれておりました。
- 日時によって受験者定数を満たした会場から出願受付締め切りとなりますので、希望する会場での受験が出来ないことがあります。
- 受験申込手続きをしないまま出願期間を超過した場合、受験不可となりますので、ご注意ください。
CBT-Solutions受験申込サイトで出願(2022.5.9~2022.5.27)
私は2022.5.9に申込を行いましたが、残念ながら希望の日時に行っている場所は県外しかありませんでした。
早めに申し込みを行うことをお勧めします。
なおこちらは第2回の出願方法なので、来期以降の申込サイトによる出願については一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構ホームページをご確認ください。
受験日直前のお知らせの連絡(受験日前日)
一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構から「受験日直前のお知らせ」のメールが届きました。
「ご予約の試験日1日前となりましたのでお知らせします」
とのこと。当日の持ち物や諸注意なども書かれておりました。
認定試験までの勉強法
テキストの確認問題、動画(第2回CAI研修セミナー)の確認問題を完璧にマスターする
認定試験まで3~4回繰り返し行いました。
テキストの到達目標について答えらえるようにする
テキストの到達目標をすべて、テキストを参考にして一つずつ到達目標の答えを作成し、自ら資料としてまとめ、繰り返し読むようにしました。
以下は資料としてまとめたものの例です。
- アレルゲンになるものを理解する(18ページ)
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身近なものとして、ダニ、ハウスダスト、カビ、昆虫、イヌ・ネコ・トリ・ハムスターなどに代表されるペット、その他の動物、食物、食品添加物、薬剤、身の回りの日用品などがあり、数多くのものがアレルゲンとなりうる。
- アレルゲンの特徴を知る(18ページ)
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多くは蛋白質で、ある程度の大きな分子をもつ物質になる。金属などの蛋白質以外でも、血液中の蛋白質と結合してアレルギーを起こすことがある。
動画の内容をテキストの到達目標に沿って確認する
自ら作成した到達目標の答えの内容が合っているかなどを動画で確認し、最新のデータやガイドラインで新しくなっている内容については変更・追記を行い、動画中に到達目標に網羅していないものがあれば追記して作った資料をバージョンアップしました。
認定試験と合格発表
認定試験と合格発表
試験は〇×問題が40問、四者択一問題(症例問題を含む)が20問、の合計60問(60分)。
試験会場の初めて入るパソコン教室には、他の試験を受けられている方もいらっしゃいました。
パソコンを使った試験で慣れないため、最初は緊張しましたが、すぐに慣れました(^^)
時間が足りないということはなかったです。2回ほど中身を見直した後、終了ボタンを押しました。
すぐに教室の方から「合格」の「結果レポート」をもらいびっくりしました。
おそるべしCBT方式!
第2回CAI認定試験に合格者へ【認定申請フォームのご案内】の連絡(2022.8.1)
合格者に認定申請フォームのご案内のメールが届きました。
合格発表後しばらく連絡が来なかったので少し不安になってました。
フォームの名前のローマ字表記ですが、苗字が大文字、名前が小文字(頭のアルファベットのみ大文字)。
今はこれがスタンダードなんですね。勉強になりました(^^)
CAI認定試験申請内容確認と認定料振込のご案内の連絡(2022.8.8)
申請内容確認と認定料振込のご案内がメールで届きました。
無事フォームの送信内容が確認されたようです。
私は連絡いただいた日に指定された口座に認定料10,000円振り込みました。
CAI認定試験認定料振込確認完了のお知らせの連絡(2022.8.12)
認定料振込確認完了のお知らせがメールで届きました。
振り込みが確認いただけました。
認定証・認定カード・カードストラップ・カードホルダーが最短で9月中旬以降の発送見込みとのことです。
楽しみです(^^)
認定更新に向けて
更新は5年ごと、認定期間内に10単位を取得することが必要です。
講習認定セミナーは5つ(2単位~4単位)と限られていますが、更新は問題なくできそうです。
定期的に参加して知識のアップデートをしていきたいと思います。